脳神経外科

当院外科の特長

対象となる疾患は、脳卒中、頭部外傷、脳腫瘍、顔面痙攣、頭痛、めまい、認知症などで、急性期治療からリハビリテーション、慢性期治療、在宅治療まで行っています。

主な対象疾患

脳卒中

脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血に分類され、中でも脳梗塞が増加傾向にあります。

脳梗塞

脳梗塞は、脳の血管が詰まってしまうことにより、突然手足の麻痺や言語障害などを生じ、大きく二つの起こり方に分けられます。

ひとつは動脈硬化などにより動脈が徐々に細くなっていく場合(アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞)で、もう一つは不整脈などにより心臓にできた血の塊が飛んでいって詰まる場合(心原生脳塞栓)です。

発症早期であれば、薬剤で血の塊を溶かす治療が有効なことがあります。この薬剤の使用には、治療開始までの時間など、いくつかの制限がありますので、全ての方に使えるものではありませんが、おかしいなと思ったらすぐに受診して頂くことが重要です。
また、血圧や血糖、コレステロールなど、生活習慣病といわれる病気が危険因子とされますので、これらの管理もしっかり行わないと再発の危険性が高くなります。

脳出血

脳出血は、高血圧が原因となることが多く、日頃から血圧の管理をしていくことが重要です。高血圧の原因としては塩分の摂取量が多いことが挙げられます。

高血圧治療の目標値は、自宅での血圧測定で、およそ135/85mmHg未満となります。糖尿病や一部の腎臓病の方は125/75mmHg未満となります。これらの数値より高い時が多ければ、受診して目標値まで下げるようにしましょう。

クモ膜下出血

クモ膜下出血のほとんどは、脳動脈瘤といって脳の動脈に瘤状に膨らんだ部分ができ、これが破裂する事によって起こります。

破裂すると、およそ1/3の方は亡くなり、1/3の方は障害が残り、日常生活に復帰できるのは1/3の方です。破裂する前にみつかれば、予防的に外科治療を行うことがあります。

頭部外傷

頭部外傷には、頭を打撲しなくても、強く揺すられることで受傷する事もあります。受傷時に症状が出現する事がほとんどですが、しばらく時間が経過して症状が出現する事もあります。数分から数時間のこともあれば、慢性硬膜下血腫のように1ヶ月〜数ヶ月経過して発症するものもあります。頭を打ったり、強く揺さぶられたような場合は、初めに症状がなくても、しばらくは様子を見る必要があります。

ボトックス治療

眼瞼痙攣(まぶたがピクピクする)、顔面痙攣(顔の半分がピクピクする)、脳卒中や頭部外傷などの後遺症としての四肢痙縮(力を入れていないのに筋肉が収縮し、関節が曲がってしまい思うように動かせない)などに効果があります。根治はできませんが、一定期間改善が得られます。

頭痛

クモ膜下出血を代表とする急性の頭痛の他に、片頭痛や緊張型頭痛などの慢性的な頭痛の診断治療を行っています。

脳卒中や頭部外傷などの後遺症としての高次脳機能障害

岐阜県高次脳機能障害支援普及事業協力医療機関として、高次脳機能障害に対するリハビリテーションや、障害者手帳の取得、施設利用などの支援を行っています。

スキー・スノーボード外傷について

鷲見病院での対応範囲

郡上市内には11のスキー場があり、ウィンターシーズンにはスキー・スノーボードによる頭部外傷の方が約350人/シーズン受診されます。軽症な頭部打撲から、生命に関わる重症頭部外傷まで対応しています。

スキー・スノーボードはヘルメットの着用を

スノーボードによる頭部外傷の特徴として、初めての人や初級者が緩斜面で逆エッジ現象により後方へ転倒し後頭部を打撲する場合と、中級者や上級者がジャンプで失敗し受傷する場合が多いです。

スノーボードを始める場合には、スクールに入るなどして、インストラクターから技術指導を受けることが大切です。また、ヘルメットなどのプロテクターを装着して滑走する事も大切です。

ヘルメットは欧米では約80%の装着率であるのに対し、日本では20%程度に過ぎません。また、スキーヤーとスノーボーダー、スノーボーダー同士が衝突する事故も発生していますので、十分注意して滑走してください。

脳震盪(脳しんとう)後は安静に

近年、脳振盪に対する認識が変わってきています。脳振盪とは、頭部に外力が加わることにより、一過性に脳の機能障害を生じるもので、脳が傷付く脳挫傷や、出血などの器質的変化のないものをいいます。

基本的には時間の経過とともに症状は改善し消失に至りますが、影響が残っている間に繰り返し頭部に外力が加わることにより、脳腫脹(脳が腫れ上がってしまう)や頭蓋内の出血など、命にかかわる重症頭部外傷を起こしてしまうことがあります。重症頭部外傷に至らなくても、脳振盪を繰り返すことにより、将来、認知症やパーキンソン病のような症状を引き起こすことが知られています。

脳振盪の症状は、意識消失や健忘(記憶障害)、見当識障害(日付や場所などが分からない)が代表的ですが、これらの症状がなくても、ふらつきなどの平衡障害や、気分が悪い、ボーッとしている、感情の起伏が激しいなど、あるいは頭痛のみでも脳振盪の場合があります。

脳振盪になった場合は、それ以後のスポーツは避け、1週間程度は頭部に外力が加わらないようにする必要があります。

医師紹介

鷲見靖彦(常勤) 

専門
一般脳神経外科、スポーツ頭部外傷
資格・その他
  • 日本医師会認定産業医
  • 麻酔科標榜医

鷲見靖彦(常勤) 会長

杉本信吾(常勤) 副院長、脳神経外科部長

専門
脳卒中、スポーツ頭部外傷
資格・その他
  • 日本脳神経外科学会 専門医
  • 日本頭痛学会認定頭痛専門医
  • 日本医師会認定産業医
  • 認定健康スポーツ医
  • 日本体育協会認定スポーツドクター
  • インフェクションコントロールドクター
  • ICLSインストラクター

山内圭太(非常勤)

松原 博文(非常勤)

所属
岐阜大学医学部附属病院 勤務
資格・その他
  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本脳神経血管内治療学会専門医
  • 第88回日本脳神経外科学会中部支部学術集会優秀論文賞

庄田 健二(非常勤)

所属
岐阜大学医学部附属病院 勤務
資格・その他
  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本脳神経血管内治療学会専門医

飯田 知宏(非常勤)

所属
岐阜大学医学部附属病院 勤務

熊谷 吉哲(非常勤)

所属
岐阜大学医学部附属病院 勤務

山本 力義(非常勤)

所属
岐阜大学医学部附属病院 勤務

山田 隆太(非常勤)

所属
岐阜大学医学部附属病院 勤務